本節では、各インストーラコンポーネントの詳細について述べていきます。コンポーネントは、ユーザに認識できる段階へグループ化されました。それらは、install 中に現われる命令の形で示されます。すべてのモジュールを、インストール時に使用するとは限らない、ということに注意してください。どのモジュールを実際に使用するかは、使用するインストール法やハードウェアに左右されます。
Debian インストーラが起動して、最初の画面が表示されているとしましょう。このとき、debian-installer の機能はまだ制限されています。ハードウェア、希望する言語、実行するタスクなどに関しても、まだ知りません。しかし心配しないでください。debian-installer は非常に賢いので、ハードウェアの自動検出をしたり、コンポーネントの残りを見つけたり、高性能なインストールシステムに自分自身をアップグレードすることができます。しかし、(希望する言語、キーボードレイアウト、使用するネットワークミラーの選択のように) いくつかのタスクでは自動で決められませんので、debian-installer を助けてあげる必要があります。
この段階で debian-installer がハードウェア検出を数回行うことに気がつくことでしょう。最初の検出では、インストーラのコンポーネントをロードするのに欠かせないハードウェア (例: CD-ROM ドライブやネットワークカード) を認識することが目標です。初回の実行ですべてのドライバが使用可能になるわけではないので、ハードウェア検出をこのプロセスの後で繰り返す必要があります。
ハードウェア検出の間、debian-installer はシステムにあるハードウェアデバイスのドライバが、ファームウェアを読み込む必要があるかをチェックします。ファームウェアが必要なのに利用できない場合は、リムーバブルメディアから見つからないファームウェアを読み込むダイアログを表示します。詳細は 「見つからないファームウェアの読み込み」 をご覧ください。
debian-installer がまず行うことの一つが、利用可能なメモリをチェックすることです。利用可能なメモリに制限がある場合、このコンポーネントは、システムに Debian GNU/Linux をインストールできるように、インストールプロセスにいくらかの変更を加えます。
インストーラで消費メモリを抑えるには、翻訳を無効にすることです。これは、英語でしかインストールできないと言うことでもあります。もちろん、インストール完了後に、インストールしたシステムを地域化することができます。
これで充分でなければ、インストーラは、基本的なインストールを完了するのに必須なコンポーネントのみを読み込み、メモリ消費をさらに抑えようとします。これはインストールシステムの機能を制限します。手動で機能を追加する手段を提供していますが、それによりさらにメモリを消費し、結果インストールに失敗する可能性を考慮する必要があります。
インストーラが低メモリモードで動作する場合、比較的大きな swap パーティション (64–128MB) を作成するのをお勧めします。swap パーティションは仮想メモリとして使用され、システムで利用できるメモリの量を増やします。インストーラは、インストールプロセスで可能な限り早く swap を有効にします。swap を使用すると、ディスク負荷が増加し、システムのパフォーマンスが低下する事に注意してください。
こういった措置にもかかわらず、まだシステムがフリーズしたり、予期しないエラーが発生したり、システムがメモリ範囲外で動作 (VT4 と syslog に 「Out of memory」 メッセージを出力) して、プロセスがカーネルに強制終了される可能性があります。
例えば、swap スペースが不充分な場合、低メモリモードで大きな ext3 ファイルシステムを作成すると、エラーを報告します。swap をもっと大きくしてもだめな場合、ext2 (インストーラの必須コンポーネント) で作成してください。ext2 パーティションをインストール後に ext3 に変更できます。
インストーラに 「Debian Installer パラメータ」 で説明している 「lowmem」 ブートパラメータを使用すると、利用可能なメモリを元にした lowmem レベルよりも高いレベルにできます。
ほとんどの場合、最初の質問はインストール中とインストールしたシステム双方の、地域オプションの選択に関することです。地域オプションは、言語、場所、ロケールからなっています。
異なるダイアログの翻訳が利用できるなら、選んだ言語をインストールプロセスの残りで使用できます。選択した言語で、有効な翻訳が利用できなければ、インストーラは自動的に英語になります。
選択した地理的位置 (ほとんどの場合で国) は、インストールプロセスの後半で、デフォルトのタイムゾーンの抽出と、その国に適切な Debian ミラーサイトの抽出に使用します。言語と国は、ともにシステムのデフォルトロケールの決定や、正しいキーボードレイアウトの選択を支援します。
最初に好みの言語を選択することになります。言語名は英語 (左側) と原語 (右側) の両方で表示しています。右側の名称は、その言語そのもので書かれた表記です。このリストは英語名順に並んでいます。このリストの先頭には言語の代わりに 「C」 ロケールを選択する追加オプションもあります。「C」 ロケールを選択するとインストールプロセスは英語で行われます。また、インストールしたシステムには locales パッケージがインストールされず、いずれの地域もサポートしません。
次は地理的な場所を選択するよう求められます。言語選択時に、その言語が複数の国で公用語とされている場合[3]、その国だけのリストを表示します。そのリストにない国を選択する場合、 (最後の選択肢) を選択してください。すると、大陸のリストを表示します。大陸を選択すると、関連する国のリストを表示します。
言語に対して国がひとつしかない場合、国のリストには、その国が属する大陸か地域を表示し、その国をデフォルトで選択状態とします。別の大陸にある国を選択したければ、 を選択してください。
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注記 |
|---|---|
インストールしたシステムのタイムゾーンを設定するため、あなたが住む、ないし設置する国を選択することが重要です。 |
ロケールが定義されていない言語と国の組み合わせを選択して、その言語に複数のロケールが存在する場合、インストールしたシステムのデフォルトロケールを、その中から選ぶことになります[4]。そうでなければ、デフォルトロケールは選択した言語と国をもとに選択されます。
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